鋳物語14 エピログfin.
ジェレミは、「鉄の塊」の国を出て、海を渡り、青銅の国の島々を渡った。その青銅の国、色の国を渡った。
色んな島々の、彩った町々を航り続けた。
やがて、Theeの住んでいる鋼鉄の国に、たどり着いた。
そこは、今までの島々の国とは、丸っきり違う国だった。
強大かっ豊かすぎるほど裕福な帝国であった。
五つの巨大な城壁の都市を、五っの領主が治めていた。
その五つの城の都市の島たちに守られるようにして、大きな王の島が真ん中の広い海の上に、浮んでいた。
その主の都市の中央に、島のどこからでも見える大きな王宮があり、その王宮のとなりに、Theeの家があるのだ。
捜すのにそんなに時間はかからなかった。
ジェレミは辿り着いた。
一日でも早くTheeに会いたい。
Theeに会った時、ジェレミの心に現われた気持ちを素直に選択しようと、
そう決めていたのだ。
戸を叩いた。
何人かの接客かかりのような人たちが、次から次へと、同じことを何度も聞いて来た。
そして、しばらくすると、品のある美人の、老婦人が現われた。
「Theeは今ちょうど、留守です。」「明日戻ります。」
「あなたのことは、Theeから聞いています。」
「Theeはずっとあなたのことを待っていましたよ。」
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その後、まもなくして、
生まれる前からの定めといくつかの奇蹟が動き、
そして、シェレミは、歩み始めたのだった。
エピログ fin.