鍵物語・일본어열쇠이야기

日本在住の韓国人と日本人のための「和얼」Jeremy's Cafe

鍵物語 つづき3

しかし、驚くほどの美しい姿とは、全く想像できない、あの悪い性格のThee。

 


群を抜いた美しさに多くの人々があっという間に群がるのだが、

その悪い性格を人々は群がる速度よりも早く離れて行ってしまうのだ。

 


そして、いつものように、また一人になるTheeは、逃げ込んだその街でも、

すぐまた、一人ぼっちになった。

 


すると、Theeはまた心で、ジェレミに会いたいと思った。

使い勝手のよい道具のように、ジェレミを会いたいと思っている。

 


ずっと自分の話を聞いてくれて、何も言わず、微笑んでくれるジェレミが懐かしくなった。

 


ただ、この懐かしさというのは、Theeにとっては、はじめての気分だった。

 


Theeはだんだん、この町に逃げてきた間もない日から、ジェレミ

懐かしくて仕方がない気持ちになった。

 


Theeは自分の誕生日に、まるで自分自身にご褒美をあげるような軽い気持ちで、

この町に逃げてきたその次の日から、その町の男たちを招いて、

ご挨拶代わりの、自分の誕生日パーティを開いた。

 


多くの男たちがその町では、会ったことのない、その美しいTheeに群がったのだ。

 


Theeは、その美しい姿を見事に、自分で裏切った。

 


数日後には、Theeと話したがる人は、誰もいなくなった。

 


それでも、Theeは、なんとも思わなかった。いつものことだったから。

 


それより、Theeは、ジェレミに会いたかった。

 


それをずっとずっと思うようになった。

 

 

 

そんなある日、Theeは、自分の唯一の楽しみである楽器を取り出しては、

引くこともせず、たださわっていた。

 


なんとなく、ジェレミに会いたいと思いながら。

 


すると、突然、ジェレミの声が聞こえてきた。

 


正確には、それはジェレミの声ではなかった。ジェレミのいつもの微笑みだった。

まるで聞こえてきそうなぐらい、まんべんの笑みだったのだ。

 


その聞こえるように見えてきたジェレミの微笑みに、心で、こう叫んだ。

 


あさって、私を探しに来て、私の家まで来てよ。

待っている!必ずよ!

 


ジェレミのやさしい微笑みは、少し開いた窓から吹いてきた、やさしい風に当たりながら、

少しずつ消えていった。

 


Theeはその日から忙しくなった。夜もあまり寝ず、料理を作った。

群がって食べ尽くした男たちに用意した誕生日の時の料理よりも、量も、料理の数も

多くつくった。

 


きっと来る気がしていた。必ず来てくれる気がしていた。だから、こんなにもたくさん作ったのだ。

 


そして、その日がきた。

朝から、窓を開け、ジェレミが来ることを待っていた。

 


ジェレミに、自分がいる町を知らせてはいなかった。きっと来てくれる気がしていた。

 


昼になっても、夕方になっても、ジェレミが来る気配なんか、全くなかった。

 


Theeは静かに、楽器を取り出しながら、つぶやいた。

必ず  来る。

楽器の金属部分を何気にさわり、撫でながらそうつぶやいた。

この私に会いに必ず来る。

 


その時、ジェレミの音がした。ジェレミのあの懐かしい四本の足の音だ。