鍵物語つづき11
ジェレミは、何も、何も、何も言えなかった。
ただ、凍りつき、そして心で泣いた。
「ごめん。」という言葉さえ出なかった。
ただ、ふるえる手で、顔をおおい、何も言えず、長い間、ぐっと耐えていた。
手のふるえは、だんだん大きくなって、とまらなかった。
それでも、ジェレミは、向も言えず、ずっと、耐えているのだ。
どれほど時間がすぎてしまったのか、わらなかった。
やがて、Theeは、小さな声で、こう言った。
「もう大丈夫。」「もう実家に帰ることにする。」
Theeの声が聞こえなくなってからも、
ジェレミの耳には.Theeのあの悲しい声が離れなかった。
心臓がふるえ続けた。寝れず、朝が来た。
ジェレミは、四っの足でふるえ続ける心と体で、歩き続けた。
ふるえが止まらない。
時間が立てば立つほど、Theeの声がジェレミの心と体のすみずみまで、ふるわせ、痛みのない痛みが襲って来た。
ジェレミの心は、壊れた。Theeのあの声以外、何も感じなくなった。
ジェレミの心臓は、ふるえ続けながら、ジェレミの息を今にでもとめようとしている。
ジェレミの体は、何の力も入らなくなった。
ずっとずっと見えないふるえが、ジェレミの体をゆらし、ジェレミに言い締けた。
「どうする」「これで良いの?」
「あなたは、何も選んでいないのよ。」
「このまま、あの直を歩けるのか?」
「このままなら、あの道にもふみ出せないよ。」
心の様々な声が聞こえては消え、また聞こえては消えた。
そして、一つの言葉がジェレミの耳に残り、聞こえ続け、痛み続けた。
「会いたい。どうする。」
「どうする。会いたい。」